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2024年2月 9日 (金)

三菱重工の殺傷武器・輸出解禁

 岸田政権は殺傷武器の輸出解禁に突き進んでいます。ライセンス生産した武器をライセンス元の国へ輸出を可能にしたことに続いて、国際共同開発する武器を第三国に輸出できるようにしようとしています。
 
ライセンス生産とは
 ライセンス生産とは、開発した企業にライセンス料を支払い、生産に必要な技術や特許などの使用を許諾してもらって生産し販売します。製品に関する技術を獲得し、メンテナンスも自社でできることになります。
 
武器(防衛装備品)のライセンス生産
 武器の場合、日本の軍事企業が他国の軍事企業が開発した武器をライセンス生産して自衛隊に納入します。自衛隊に納入するだけでなく、輸出できれば企業にとってなお好都合ですが、それには「防衛装備移転三原則」(武器輸出三原則)の制約を受けます。
 
「防衛装備移転三原則の運用指針」を改定
 岸田政権は2023年12月22日、「防衛装備移転三原則の運用指針」を改定(閣議決定)して、ライセンス生産した武器をライセンス元の国へ輸出可能にしました。
 それまでは、アメリカの企業がライセンスを持つ武器の部品に限りアメリカにのみ輸出できたのですが、今はそれだけでなく殺傷武器を含めて完成品もライセンス元の国ならどこにでも輸出できるようにしました。
 日本がライセンス生産している武器は79品目に上り、輸出対象国になるライセンス元の国は米英仏独伊など8カ国に拡大します。
 
パトリオットは三菱重工がライセンス生産
 三菱重工がライセンス生産している殺傷武器に地対空ミサイル・パトリオットがあります。今回の「防衛装備移転三原則の運用指針」の改定ではこのパトリオットが主役になったようです。
 改定当日の記者会見で林芳正内閣官房長官は次のように述べています。
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・・・本日、国家安全保障会議四大臣会合を開催し、今般見直した防衛装備移転三原則の運用指針を適用する案件として、米国からのライセンス生産品であるペトリオット・ミサイルの米国への移転について、特に慎重な検討と厳格な審査を経て、認め得るということを確認いたしました。本件は日米同盟の強化の観点から大きな意義を有するものでありまして、我が国の安全保障及びインド太平洋地域の平和と安定に寄与するものでございます。
(首相官邸のホームページ 令和5年12月22日 内閣官房長官記者会見より)
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(注:「パトリオット」はマスコミなどで使用されている表現です。自衛隊は「ペトリオット」と表記しています。)
 
アメリカ政府は大歓迎
 日本政府がパトリオットをアメリカに輸出することを決めたことにアメリカ政府は直ちに歓迎の意を表しました。
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 米ホワイトハウスのサリバン大統領補佐官(国家安全保障担当)は22日、日本政府が防空用の迎撃ミサイル「パトリオット」を米国に供与すると決めたことを歓迎する声明を発表した。「日本の安全保障とインド太平洋地域の平和と安定に貢献する」と記した。
 サリバン氏は日本から提供されるパトリオットを米国の在庫に補充すると表明。「米軍は自衛隊と緊密に協力し、抑止力と対処能力を維持し続けることを保証する」と強調した。
(日経 2023年12月23日「米ホワイトハウス、日本のパトリオット供与「歓迎」より)
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三菱重工製パトリオットがウクライナへ?
 サリバン大統領補佐官が「日本から提供されるパトリオットを米国の在庫に補充する」ということですが、アメリカ政府はウクライナにパトリオットを提供しているために在庫不足になっているとも伝えられていますから、三菱重工は大急ぎでパトリオットを生産することになるでしょう。そして、アメリカに渡ったパトリオットがウクライナに提供されるということも考えられます。「防衛装備移転三原則」は紛争当事国への移転を禁じていますが。
 
ロシアはパトリオット輸出で日本に警告
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 ロシア外務省のザハロワ情報局長は27日の会見で、日本政府が地対空誘導弾パトリオットの米国への提供を決めたことについて「日本のミサイルがウクライナに渡る可能性も否定できない。そのような行動はロシアに対する明確な敵対行為とみなされる」と述べた。
(日経 2023年12月27日「ロシア、パトリオット輸出で日本に警告」より)
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 岸田政権が進めている殺傷武器の輸出解禁は戦争を呼び寄せると言わざるを得ません。
 
次は、「次期戦闘機」の輸出
 2035年完成を目指して日英伊の3国で共同開発を進めている「次期戦闘機」は、現状では日本から第三国に輸出することができません。それでは日本にとって大変不利と、自民党は国際共同開発した武器は輸出を可能とすることを強く求めています。これについて岸田首相は「2月末を与党間の結論を得る時期として示している」と言っています。
 なお、「次期戦闘機」の国際共同開発で三菱重工は日本側の中心的役割を果たしています。
 
   日本共産党三菱重工広製支部

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