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2024年1月12日 (金)

大軍拡に沸く日本の軍需企業

 岸田政権の大軍拡が動き出して三菱重工の軍需部門が爆発的な展開を見せていることを前回のブログで見ました。今回は、そのほかの日本の主な軍需企業である川崎重工と三菱電機について見ておきたいと思います。
 
川崎重工も大軍拡を歓迎
 川崎重工が生産している主な兵器には、P-1固定翼哨戒機、Cー2輸送機など大型航空機に関連したものが多くあります。
 同社の「航空宇宙システム」は、「事業環境・受注動向」を「防衛省向け:抜本的な防衛力強化という防衛省の方針のもと、今後の需要増や採算性の改善が期待できる」と、岸田政権の大軍拡を歓迎しています。
 
川崎重工の軍需部門も爆発的な展開
 川崎重工の「航空宇宙システム」のうち、「航空エンジン」を除く「航空宇宙」を見ますと、受注高が2022年度の2,539億円(実績)から2023年度には4,750億円(予想)へ2,211億円(87%)増と爆発的な展開を見せています。
 
2030年度には売上高2~3倍化、利益率2倍化以上
 川崎重工の「航空宇宙システム」は今後の見通しを、
・多次元統合防衛力の抜本的強化に伴う防衛費増額を契機として受注は拡大
・契約の制度改正により、適正な利益を確保
として、売上を2022年度約2,400億円から2030年度には5,000~7,000億円へ2~3倍化、事業利益率を5%未満から10%以上へ2倍化以上の見通しを立てています。(グループビジョン2030進捗報告(2023年12月12日)より)
 
敵基地攻撃用兵器の開発
 このように川崎重工は事業規模と利益を爆発的に伸ばす見通しを立てていますが、その事業内容は、政府の「国家防衛戦略」に書かれている「スタンド・オフ防衛能力」、「統合防空ミサイル防衛能力」など7つの「重視する分野」すべてにわたっています。
 中でも、「スタンドオフ防衛能力」では「新SSM(島嶼防衛用新対艦誘導弾)」、「スタンド・オフ電子戦機」、「次期潜水艦の開発」、「高出力レーザ兵器」など敵基地攻撃用兵器の開発が並んでいます。
 
三菱電機は電子技術を活かした兵器で
 三菱電機が生産する兵器は主に、誘導弾(ミサイル)、レーダーなど電子技術を活かした兵器です。
 防衛省の契約相手方別契約高で、三菱重工、川崎重工に次いで概ね3位を占めています。
 
大口案件の受注が増加
 三菱電機の半期決算では、防衛・宇宙システムに関して「受注高は防衛システム事業の大口案件の増加により前年同期を上回ったが、売上高は防衛システム事業の大口案件の減少により前年同期を下回った」と受注増・売上げ減の報告をしています。大口案件の受注が増加したことはこの先売り上げが大きく伸びることを示しています。
 
大軍拡に合わせて大規模設備投資・人員増
 三菱電機は、防衛・宇宙システム部門の大口案件の受注増加に見られるように、大軍拡に合わせて大規模設備投資・人員増を計画しています。
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 三菱電機は10月25日、鎌倉製作所(神奈川県鎌倉市)など3カ所で防衛装備品を生産する工場を新設すると発表した。約220億円を投じる。計8棟の生産棟を2025年4月以降に順次完成させる。政府が防衛予算を拡大させることを受け、レーダーシステムなど防衛装備品の生産能力を強化する。
 5月には防衛・宇宙事業で配置転換を含めて1000人規模を増やす方針を示したほか、鎌倉製作所などでの約700億円の設備投資計画を発表している。
(日経 2023年10月25日「三菱電機、防衛装備品の工場新設」より)
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防衛省の「新たな利益率の算定方式」を大歓迎
 防衛省が兵器生産の利益率を最大15%とする「新たな利益率の算定方式」について三菱電機・防衛システム事業部の洗井昌彦事業部長は「企業としても利益率を高められるように努力していくのは当然のことで、新しい仕組みは画期的だと考えている」と大歓迎しています(日経産業新聞 2024年1月8日)。
 事業規模も利益率も爆発的に伸びそうです。
 
三菱電機は武器輸出も大きく展開中
 警戒管制レーダーの初号機をフィリピン空軍へ2023年10月に納入し、「本件は、2014年4月に日本政府の防衛装備移転三原則が制定されて以降、初めての海外政府に向けた国産完成装備品の移転となります」と発表しました(ニュースリリース 2023年11月2日)。
 
米海軍のレーダーの製造に参画する方向で調整中
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 三菱電機が、米海軍の空母やミサイル駆逐艦などの艦船に搭載するレーダーの製造に参画する方向で調整していることが11月8日、分かった。レーダーの基幹部品を生産する。同社は防衛装備品の海外展開で、フィリピンに防空レーダーを輸出した実績などがある。米軍向けが実現すれば4例目となる。
(共同通信 2023年11月8日「三菱電、米軍装備品の製造参画へ」)
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オーストラリア国防省とレーザー技術で共同開発事業
 三菱電機の子会社・三菱電機オーストラリアは、オーストラリア国防省と共同開発事業の契約を締結してレーザー技術を活用したシステムの開発に参画します。
 この事業は「防衛分野において日本企業と外国政府の間で共同開発契約に至った初めてのケース」ということです(ニュースリリース 2023年10月19日)。
 
次期戦闘機の開発でも
 次期戦闘機は、日本では三菱重工を中心に日・独・伊3カ国で共同開発を進めていますが、三菱電機は次期戦闘機に搭載するミッションアビオニクスシステムの開発担当企業となっています。ミッションアビオニクスは戦闘機に必要な電子装置です。
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 軍需部門が爆発的な展開を見せているのは三菱重工だけでないことがわかります。各社の軍需部門の占める割合は、これまで数%から10数%でしたが、数年以内に2倍化することが確実です。軍需部門の占める割合が大きくなると、それを維持・拡大しようとする企業側からの圧力が強くなって経済の軍事化がさらに進むことになりかねません。その先に待っているのは戦争です。
 大軍拡を阻止して国民の生活を守る。そのために岸田政権打倒のたたかいを急がなくてはなりません。
 
   日本共産党三菱重工広製支部

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