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2017年6月 1日 (木)

2015事業計画の見直しと対策(その3 飛躍を狙う)

 前回と前々回のブログで「2015事業計画推進状況」(2017年5月9日)のⅠ~Ⅳを見ました。そこには、受注規模と営業利益が目標に達していないが高配当は続けるという方針と、大規模な「人員対策」(人員削減)の計画を持っていることが書かれていました。
 今回は、Ⅴ以降を見ていこうと思います。
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「2015事業計画推進状況」の主な項目
 Ⅰ. 2016年度の実績
 Ⅱ. 2017年度数値計画の見直し
 Ⅲ. 2015事業計画の全体進捗評価
 Ⅳ. 主な対策の推進状況
 Ⅴ. 「改革の総仕上げ」としての組織・制度の補強
 Ⅵ. まとめ
 [参考資料]
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Ⅴ. 「改革の総仕上げ」としての組織・制度の補強
 この章の項目は次のとおりです。項目の上に、「- 2018事業計画における飛躍への準備 -」とありますが、これは、「2015事業計画」で掲げた事業の選択と集中が進み、さまざまな課題も克服するメドがついたので新しい飛躍を狙う、という考えのようです。
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 - 2018事業計画における飛躍への準備 -
  1. グローバル/ローカル経営の最適化
  2. 生産部門の革新
  3. アセットマネジメントの更なる強化
  4. イノベーション推進研究所(仮称)
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1. グローバル/ローカル経営の最適化

 三菱重工グループの拠点は各国・各地にありますので、それら全体を統制のとれた一つの経営体として高効率に運営していくとともに、各地域(特に海外)の経営と営業を強化するという方針のようです。

2. 生産部門の革新
 IoTAIなど技術の急速な進歩を積極的に取り入れていく方針のようです。
 (注)IoT:Internet of Things(さまざまな機器をインターネットにつないで実現する保守・点検など)
 (注)AI :Artificial Intelligence(人工知能)
 「パワー及び機械事業」については、「グローバル生産拡大による国内生産縮小」が進んだので「拠点の集約/再編」をし、「Iot/AIを活用」して30%以上の生産性向上をはかるとしています。
 これとは対照的に、「航空宇宙事業」については国内生産を拡大するために、「国内主体の最適再編」をおこなうとしています。

3. アセットマネジメントの更なる強化
 低操業工場はグループ内シェアまたは他社へリース、低利用オフィスも他社へリースするなど、「従来の枠を超えたアセットマネジメント」を推進して、「将来的に数百億円/年の安定的CF創出」をはかるとしています。
 (注)CF:Cash Flow(現金の出入り)

4. イノベーション推進研究所(仮称)
 新しく「当社100%出資の研究開発専業法人」を設立して、大学や外部研究機関などを活用しながら「外部の最先端知見やアイデアを吸収」して技術開発・製品開発に活用する方針です。「従来にない発想とアプローチ」で研究開発を進める方針のようです。

 このような新しい方針を見ますと、これまでのやり方にとらわれずに、より強大な多国籍企業を目指して新しい飛躍を狙っていることがわかります。株主ファーストの利益追求のために。

Ⅵ. まとめ
 ここでは、「改革の総仕上げ」をおこなって、「2018事業計画(持続的成長ステージ)への円滑な移行」をはかり、2019年度に達成する数値目標をかかげています。この数値は、2015事業計画の2017年度の数値目標とほぼ一致しますので、計画は2年遅れで進んでいることになります。
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  2019年度の数値目標
 受注     5.5兆円
 売上     5.0兆円
 営業利益 4,500億円
 純利益   2,000億円
 ROE     10%
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 2015事業計画は3年計画ですから、2年遅れということは厳しい状況が続いているととらえることができます。それには、前回のブログで見ましたように、「2016年度に想定を超える課題が発生」したことと、その背景として「世界経済の不透明感」があるということができます。
 その底流には、各国の多国籍企業(グローバル企業)が株主ファーストの利益追求を推進しているために、先進資本主義国の経済低迷と貧富の格差がますます深まっていることがあるのではないでしょうか。

[参考資料]
 おしまいに、参考資料として、すでに見ました「名古屋地区の中期低操業対策」(p.41)、「仏/AREVA関連出資」(p.42)、その他が出ています。

防衛事業については何も書かれていません
 2015事業計画(p.25)には「防衛・宇宙ドメインの新事業強化- 従来枠組みを打破し事業規模拡大 -」、そのための「成長戦略①」は「防衛装備移転三原則を梃に海外展開」などがかかれていますが、「2015事業計画の見直しと対策」には何も書いてありません。
 何も書いてないということは順調に進んでいることかもしれません。数値を見ますと次のように順調です。
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    防衛・宇宙ドメインの目標と実績
       2015事業計画    2016年度の
       2017年度の目標    実績
 売上    4,000億円     4,706億円
 営業利益  250億円      279億円
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    日本共産党三菱重工広製支部 2017年6月1日

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