2017年10月13日 (金)

防衛白書「技術的優越の確保のための研究開発の推進」

今回のブログでは、今年の防衛白書の中から「技術的優越の確保のための研究開発の推進」を見ておきたいと思います。
 この節は、三菱重工など最新兵器の開発を進めている軍需企業に密接に関係していますし、大学を軍事研究に取り込む「安全保障技術研究推進制度」にも深く関係しています。
 なお、防衛白書は政府・防衛省の考えや施策などを国民に知らせるためのものですから、新しいことが書かれているわけではありません。内容としましてはほとんどすべてこれまでのブログで見たものですが、政府・防衛省が私たち国民に何を伝えたいかがわかると思います。
 今年の防衛白書の構成は次のようになっています。
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防衛白書(平成29年版)の構成
 巻頭特集など
 第Ⅰ部 わが国を取り巻く安全保障環境
 第Ⅱ部 わが国の安全保障・防衛政策と日米同盟
 第Ⅲ部 国民の生命・財産と領土・領海を守り抜くための取組
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 この中で、第Ⅲ部の第4章の第1節が「技術的優越の確保のための研究開発の推進」です。第1節の位置付けと構成は次のようになっています。
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 第Ⅲ部 国民の生命・財産と領土・領海を守り抜くための取組
  第4章 防衛装備・技術に関する諸施策
   第1節 技術的優越の確保のための研究開発の推進…431
    1 技術的優越の確保の必要性…431
    2 防衛技術戦略など…431
    3 研究開発に関する取組…433
    4 民生技術の積極的な活用…433
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 第4章の冒頭で、「わが国の防衛産業は厳しい状況に晒さらされている」と軍需企業の立場を代弁し、その理由として「厳しい財政事情」や「外国製装備品の輸入増加」を挙げていますが、「厳しい財政事情」の中で安倍政権は防衛費を急増させていますし、オスプレイなど高価なアメリカ製兵器を買い集めているのも安倍政権です。その一方で「諸外国に対する技術的優越を確保することが重要」と言って軍事技術政策を推進しています。
 次に、第1節の中を順に見ていきたいと思います。
 
1 技術的優越の確保の必要性…431
 ここでは、「わが国を取り巻く安全保障環境が一層厳しさ」を増しており、「米国をはじめ各国が研究開発を急いでいる」。「このため、国家として技術的優越の確保に戦略的に取り組むこと」が「喫緊の課題」となっていると述べるとともに、「最先端の軍事技術は、容易に他国には共有されない機微な技術」と言っています。そのことは、最先端の軍事技術は安易に公表できないことも意味しています。
 
2 防衛技術戦略など…431
 ここでは先ず、昨年8月に「防衛技術戦略」を策定し、それに基づいて「各種施策を推進している」と書いています。
 続いて、「技術情報の把握」の項で「デュアル・ユース技術」を挙げています。
 「デュアル・ユース」については、ブログでも取り上げましたが(「デュアルユース」は魔法のことば)、技術革新によって発達した民生技術を軍事利用に取り込むことこと、大学などを軍事研究に引き込むことを重視しています(ブログ「日本学術会議の議論」)
 「技術の保護」の項では、「わが国の技術が意図せず他国に流出」しないよう技術管理の重要性を述べています。
 続いて、今後の研究開発において重視する4つの技術分野を挙げています。
① 無人化への取組
② スマート化、ネットワーク化への取組
③ 高出力エネルギー技術への取組
④ 現有装備の機能・性能向上への取組
 これらについてはブログ「防衛省の防衛技術戦略」で見ました。
 「研究開発ビジョン」の項では、すでに「将来戦闘機ビジョン」と「将来無人装備に係る研究開発ビジョン~航空無人機を中心に~」を策定したことを述べています。この分野は三菱重工の独壇場と言えそうです(ブログ「三菱重工と新兵器開発」 )。
 
3 研究開発に関する取組…433
 ここでは、三菱重工で実施した「高運動ステルス機である先進技術実証機の実証研究」を取り上げるとともに、さまざまな新兵器の研究開発をしていることを書いています。これらについてはブログ「新兵器・研究開発の動向」でも見ました。
 
4 民生技術の積極的な活用…433
 ここでは、「安全保障技術研究推進制度」を中心に書いています。
 上記で見ましたように、1項で「最先端の軍事技術は、容易に他国には共有されない機微な技術」、2項で「わが国の技術が意図せず他国に流出」しないよう技術管理が重要と言っていますが、ここでは一転して、「研究の実施に当っては、学会などでの幅広い議論に資するよう研究成果を全て公開できるなど、研究の自由を最大限尊重することが必要である。よって、本制度では、研究成果の公表を制限することはなく」と言い切っています。
 この「研究の自由」こそ日本学術会議が問題視しているところです。日本学術会議の「軍事的安全保障研究に関する声明」は「防衛装備庁の『安全保障技術研究推進制度』(2015年度発足)では、将来の装備開発につなげるという明確な目的に沿って公募・審査が行われ、外部の専門家でなく同庁内部の職員が研究中の進捗管理を行うなど、政府による研究への介入が著しく、問題が多い」と断じています。この声明のあとに今年の防衛白書が公表されました。
 軍拡を推進している安倍政権が大学などを軍事研究に引きずり込みたいという強い思いが伝わってきます。
 
「市民+野党」の共闘で 安倍政権にさよならを
    日本共産党三菱重工広製支部 2017年10月13日

2017年9月22日 (金)

防衛省の研究委託制度に多くの大学が慎重な対応

     祝 カープ セ・リーグ連覇
 

安全保障技術研究推進制度の状況
 防衛省(防衛装備庁)がこの制度を始めて3年目になりました。応募や採択の件数は次のようになっています。
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2015年度
応募総数 109件(大学等58件 公的研究機関22件 企業等29件)
新規採択  9課題
 
2016年度
応募総数  44件(大学等23件 公的研究機関11件 企業等10件)
新規採択 10課題
 
2017年度
応募総数 104件(大学 22件 公的研究機関27件 企業等55件)
新規採択 【大規模研究課題】6件、【小規模研究課題】8件
 
(注)防衛装備庁のホームページのトピックスの中「安全保障技術研究推進制度のページはこちらへ」→平成29年度の新規採択研究課題 と進むと出ています。
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どんな研究課題が採択されたか?
 採択された研究課題がホームページに掲載されています。
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平成27年度新規採択研究課題について
平成28年度新規採択研究課題について
平成29年度新規採択研究課題について
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 掲載されている「研究課題名」や「概要」を見ますとどれも極めて専門的で何かの一部分に関する基礎的な研究という感じがします。
 
三菱重工が受託した研究
 採択された研究課題の中に「研究代表者所属機関」が三菱重工となっているものが28年度と29年度に1件ずつありますので見ておきたいと思います。
(1)(28年度)研究課題名:LMD(LaserMetalDeposition)方式による傾斜機能材料の3D造形技術の研究/三菱重工(荻村晃示)
 傾斜機能材料とは? インターネットを見ますと次のような解説がありました。
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 傾斜機能材料とは
 表面と中身が金属とセラミックスのように全く異なる性質を持ち、表面に垂直な方向で、金属とセラミックスの性質の割合が、連続的に変化しているような材料。ロケットが大気圏に突入した際に、ロケットの外部表面を高温度から守るために、熱膨張率の大きく異なるセラミックスを利用する工夫として開発された。(岡田益男 東北大学教授 / 2007年)
   (コトバンク/知恵蔵の解説 より)
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 研究結果の応用先はロケットに限られるわけではないでしょうから、ロケットのほかにミサイルの弾頭など宇宙空間から突入させる物体の先端部の「3D造形技術の研究」かもしれません。
(2)(29年度)複合材構造における接着信頼性管理技術の向上に関する研究/三菱重工(高木清嘉)
 「概要」の中には、研究の目的が「既存の技術・手法を上回る接着強度を得るための」と書かれています。
 では、複合材構造とは? JAXA(宇宙航空研究開発機構)のホームページに次のような説明がありました。
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構造・複合材料技術
 複合材料は、異なる特性の材料を複合して1つの材料として使用しているもので、炭素繊維やSiC(炭化ケイ素)繊維などを用いて繊維強化した材料として使用することで、これまでの金属材料に比べ、軽量で高強度な構造を創出することが可能となり、航空機や宇宙機器の性能をより高くすることに貢献できます。
http://www.aero.jaxa.jp/research/basic/structure-composite/
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 防衛省は新しいステルス戦闘機の開発を進めていますし、偵察衛星を打上げていますので、それらを高性能にするために必要な接着技術かもしれません。
 
日本学術会議の声明
 このような軍事研究に大学などを引き込んで軍学共同を進めようとする「安全保障技術研究推進制度」について日本学術会議は「軍事的安全保障研究に関する声明」(2017年3月24日)を発表し、「軍事研究を行わない」とした1950年と1967年の声明を「継承する」として安倍政権が推進する軍学共同を拒否しました。その中で、この制度が「将来の装備開発につなげるという明確な目的に沿って」いるとし、「政府による研究への介入が著しく、問題が多い」と断じました。
 翌月には、日本学術会議の「安全保障と学術に関する検討委員会」の審議結果を取りまとめた「報告 軍事的安全保障研究について」(2017年4月13日)を公表しました。その中で、学術の健全な発展には「学術研究の自主性・自律性、そして特に研究成果の公開性が担保される必要がある」と明確に述べています。
http://www.scj.go.jp/ja/member/iinkai/anzenhosyo/pdf23/170413-houkokukakutei.pdf
 8月31日には、検討委員会がリポートを発表して、防衛省の2017年度の研究委託制度への応募において、声明が少なからぬ大学に対応を促したと評価しています(赤旗 2017年9月1日「軍事研究、多くの大学慎重」)。そのことは、このブログの冒頭で見ました応募数にも出ています。大学などからの応募数が昨年度の23から22へと微減しています。
 
防衛省(防衛装備庁)の公募要領に変化
 日本学術会議が3月に声明を発表したあとに行われた今年度の応募要領は、その冒頭に赤い字で次のように書かれています。
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平成29年度 安全保障研究推進制度の公募要領 より
本制度の運営においては、
・受託者による研究成果の公表を制限することはありません。
・特定秘密を始めとする秘密を受託者に提供することはありません。
・研究成果を特定秘密を始めとする秘密に指定することはありません。
・プログラムオフィサーが研究内容に介入することはありません。
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 軍事技術は秘密保全が重要になります。このことは防衛省も「防衛生産・技術基盤戦略」の中で明確にしています。
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⑥ 技術管理・秘密保全
 今後、産学官連携を強化し、国際的な防衛装備・技術協力を推進するに際しては、防衛技術の機微性・戦略性を適正に評価し、我が国の「強み」として、守るべき技術は、これを守るとともに、デュアル・ユース技術の機微性・戦略性を適切に評価し、我が国の安全保障への影響を念頭に、関係国とも連携しつつ懸念国での武器転用のリスクを回避するなど、技術管理機能を強化する必要がある。
 (防衛生産・技術基盤戦略 平成26年6月 防衛省 p.16)
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 それにもかかわらず、今年度の公募要領に研究成果の公表を制限しないと書いているのはなぜでしょうか? 是が非でも軍学共同を推進したいのでしょうか? それとも、応用分野がごく限られた基礎研究だから他国の武器開発に利用される心配は少ないと思っているのでしょうか? それとも民生用に活用してもらいたいと本気で考えているのでしょうか?
 
  安倍首相が疑惑隠しの解散・追いつめられ解散
  安倍政権を退場に追い込む歴史的チャンス

    日本共産党三菱重工広製支部 2017年9月22日 

2017年9月 8日 (金)

防衛省概算要求5.2兆円に含まれる新兵器研究

 防衛省が2018年度軍事費の概算要求を発表しました。総額は5兆2551億円(注)で過去最大。第2次安倍政権発足後6年連続で前年度を上回り、2017年度の当初予算比2.5%増です。その中身の概要が「我が国の防衛と予算-平成30年度概算要求の概要-(平成29年8月31日掲載)」に出ています。
 (注)沖縄に関する日米特別行動委員会(SACO)関係経費、米軍再編関係経費を含んだ金額です。
 概要の3ページには「防衛関係費の推移等」として、沖縄に関する日米特別行動委員会(SACO)関係経費、米軍再編関係経費を除いた防衛費の推移が折れ線グラフで表示されています。第2次安倍政権発足後に急増していることがわかります。
 今回大幅に増えたのが北朝鮮の弾道ミサイル対処を想定したミサイル防衛関連経費で、今年度比1,142億円増の1,791億円。その主なものが13ページ(「弾道ミサイル攻撃への対応」)に出ています。
 42~43ページには「主要な装備品等」がまとめられています。しかし、ここには13ページに出ている高額な迎撃ミサイル
・SM-3ブロックⅡA及びSM-3ブロックⅠBの取得(657億円)
・能力向上型迎撃ミサイル(PAC-3MSE)の取得(205億円)
が見あたりません。これらの迎撃ミサイルの開発には日本も三菱重工などが参加していますが、完成品をアメリカから購入することになるのではないでしょうか。
 
新兵器の研究

 44ページには「主な研究開発(新規)」が出ています。その項目と初年度の金額は次のとおりです。
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  「主な研究開発(新規)」の項目と初年度の金額
(1) 次期警戒管制レーダ装置の開発(196億円)
(2) 島嶼防衛用高速滑空弾の要素技術の研究(100億円)
(3) 島嶼防衛用新対艦誘導弾の要素技術の研究(77億円)
(4) 移動系システムを標的としたサイバー攻撃対処のための演習環境整備に関する研究(45億円)
(5) 高出力レーザシステムの研究(87億円)
(6) EMP弾に関する研究(14億円)
(7) 将来中距離空対空誘導弾の研究(73億円)
(8) 潜水艦用静粛型駆動システムの研究(57億円)

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 (2)の高速滑空弾は、これまで聞いたことがない兵器ですが、9ページにそのイメージ図が出ています。ロケットで打上げて上空で滑空型弾頭を切り離し、弾頭が高速で滑空して目標を狙う、ミサイルの一種という感じです。
 (3)の新対艦誘導弾も9ページにイメージ図が出ています。ステルス化した長射程の巡航ミサイルという感じです。
 (5)の高出力レーザシステムは、低高度で飛んでくる大量の小型無人機や迫撃砲弾を低コストで撃ち落とすためと説明されています。高出力レーザシステムは、既に川崎重工が研究を進めています(川崎重工技報 第171号 航空宇宙特集号 高出力レーザシステム)。
 なお、大量の小型無人機攻撃については、米国防総省の実験をブログ「超小型無人機群による攻撃・実験映像」でお知らせしましたが、同じような兵器の開発を中国も進めていることが報道されました(日経ビジネス2017年9月4日号「中国のドローン中心軍事戦略」)。
 (6)のEMP弾は、北朝鮮が核実験のあとにおこなった挑発的な声明で知れ渡りましたが、高高度核爆発などで発生する電磁パルス(EMP:electromagnetic pulse)で広範囲に電子機器障害を起こすものです。使用中の医療機器を含めて電子機器が突然機能しなくなるという非人道的で国民生活に壊滅的な打撃を与える兵器です。
 (7)の将来中距離空対空誘導弾は、44ページの「概要」の欄を見ますと、日英共同研究による空中戦用の新しいミサイルのようです。
 (8)の潜水艦用静粛型駆動システムについては、「概要」の欄に、「『29年度型潜水艦』への採用を視野に入れ」と書かれていますので「平成29年度概算要求の概要」を見てみますと3ページに新型潜水艦(1隻:760億円)を建造することが書かれています。これの静粛性(隠密性)を向上させるためと思われます。さらに今回の「平成30年度概算要求の概要」の5ページには、その2番艦の建造として715億円が計上されています。
      ◇
 これらの兵器は防衛用であることが強調されていますが、多くは攻撃にも使えます。米軍と一体になって戦争ができる国を目指しているということもできます。しかも、そのためにばく大な国家予算を使おうとしています。その結果、軍拡競争の悪循環に陥っているのではないでしょうか。

    日本共産党三菱重工広製支部 2017年9月8日

2017年8月26日 (土)

三菱重工 防衛・宇宙セグメントの新事業戦略

 三菱重工は今年4月に4ドメイン制から3ドメイン制に移行していますが、各ドメインの事業戦略説明会が6月に開催されました。
  ◆パワードメイン:
     火力発電プラント、原子力、コンプレッサ、
     再生可能エネルギー、航空エンジン
  ◆インダストリー&社会基盤ドメイン:
     製鉄機械 物流機器、ターボチャージャ、
     エンジン、冷熱、機械・機器、商船・客船
     交通システム、化学プラント、環境設備
  ◆航空・防衛・宇宙ドメイン:
     民間航空機、MRJ、防衛、宇宙

防衛・宇宙セグメント
 航空・防衛・宇宙ドメインは、民間の航空会社を顧客とする民間航空機やMRJの分野と、防衛省・自衛隊を中心に政府を顧客とする防衛・宇宙の分野という異質とも言える2つの分野で構成されることになりました。
 6月に開催された航空・防衛・宇宙ドメイン事業戦略説明会の説明資料は、(1)民間機セグメント、(2)MRJ事業、(3)防衛・宇宙セグメントの3つに分けて事業戦略を示しています。この内、防衛・宇宙セグメント説明の中で防衛に関する部分を少し詳しく見てみたいと思います。

防衛・宇宙セグメントの決算と見通し
        2015年度      2016年度
 売上   4,850億円(12.0%) 4,706億円(12.0%)
 営業利益 257億円 ( 8.3%)  279億円(18.5%)
(注)%は、全社の売上に占める比率と全社の営業利益に占める比率です。

 2017年度の見通しは、売上・営業利益ともに前年度と同規模と見ています。ただし、受注については、2016年度に防衛省の「ペトリオットミサイル(MSE化)、哨戒ヘリコプター等のまとめ買いにより」前年度より2,500億円増加したため、2017年度は2016年度を下回る見通しになっています。
(注)ペトリオットミサイル(MSE化)とは、最大50%の射程の延長と機動性の向上を目指して開発されたPAC-3のミサイル部分強化型(Missile Segment Enhancement)のこと。2013年12月に閣議決定された中期防衛力整備計画(2014~2018年度)に、PAC-3 MSEの導入が明記された(ウィキペディアより)。

市場環境
 事業方針・戦略の項(説明資料 p.17~)では、「市場環境」として次の3点をあげています。
 (1)防衛装備移転三原則の閣議決定(2014年)
 (2)中期防衛力整備計画(2014~2018年度)の4年目
 (3)次期31中期防衛整備計画(2019~2023年度)、防衛大綱見直しの政府内検討中
 上記の(1)は武器輸出の原則自由化、(2)は高額兵器の購入・ノックダウン生産・開発を含んでいて、昨年度の事業戦略にも事業拡大の好機として掲げられていました。今年度は、その上に(3)が加わりました。安倍政権による軍拡は、武器・兵器のメーカーにとって絶好の機会と期待されているようです。

課題
 そのような「市場環境」の下で、第一の「課題」として、事業規模が「20年以上ほぼ横ばいで推移」しているので「事業規模拡大に向けた成長戦略が必要」としています。続いてその具体的な戦略として次のような項目が書かれています。
 成長戦略① 海外展開
  ◇F-35戦闘機(これからの取り組み)
   ・国内生産初号機納入
   ・機体納入実績を蓄積
   ・MRO&Uのための整備拠点立上げ準備
    (注)MRO&U:Maintenance,Repair,
       Overhaul,and Upgrade
  ◇SM-3共同開発・生産(これからの取り組み)
   ・政府方針に沿って共同での生産体制構築に着手
   ・契約に従い、両国配備弾向けに構成品生産・輸出
    (注)SM-3は、弾道ミサイル迎撃用ミサイルで、
      レイセオン社を中心に三菱重工も参加して
      日米共同開発。今年2月に発射実験。
  ◇新規事業(これまで培ったキー技術とチャンネルの活用)
   ・国際共同開発事業に向けて、官側と連携し推進中
   ・キーコンポーネントの海外装備品適用に向けて、
    企業間協議を実施中

 成長戦略② デュアルユース展開
  ◇サイバーセキュリティ
   ・実用化:フィールドデータの取得・蓄積
   ・民生事業への展開
   ・能力向上:機械学習による異常検知等
   ・付加価値向上:蓄積したデータの幅広い応用

 成長戦略③ 既存分野拡大
  ◇将来戦闘機(これからの取り組み)
   ・インテグレーション技術の高度化等、世界最先端技術を蓄積し、
    魅力ある事業(F-2 後継機等)提案を推進
  ◇ペトリオットミサイル(これからの取り組み)
   ・MSE化ミサイルの確実な製造・納入
   ・更なるBMD能力向上のための事業提案
    (注)MSE化:前出の(注)ペトリオットミサイル(MSE化)を参照方
    (注)BMD:弾道ミサイル防衛(Ballistic Missile Defense)

昨年度の戦略から深化
 上記の「成長戦略」を昨年度と比較してみますと、「F-35戦闘機」については、昨年度は「最終組立作業の実績を蓄積し、我が国の安全保障に貢献のために後方支援分野への参画を検討」となっていました。今年度は「MRO&Uのための整備拠点立上げ準備」となっていますから、昨年度の「後方支援分野への参画を検討」を具体化したと言えます。F-35戦闘機はアメリカを中心とする国際共同開発によるものですから、後方支援と言っても日本の自衛隊だけを対象にしたものではないととらえるべきでしょう。それは、アメリカに協力する形でアメリカに従属する軍事的一体化が進むことになるのではないでしょうか。
 「SM-3共同開発・生産」についても今年度は、「契約に従い、両国配備弾向けに構成品生産・輸出」と武器輸出の原則自由化となった「市場環境」の下で戦略を前進させています。この共同開発も、説明資料の19ページの図にありますように、ミサイル誘導部や弾頭などの重要部分はアメリカが握っていますから、アメリカに協力する形でアメリカに従属する軍事的一体化が進むことになるのではないでしょうか。
 「新規事業」についても、「チャンネルの活用」から一歩進めて「企業間協議を実施中」となっています。ただし、どのような「新規事業」が協議されているのかは明らかにされていません。
 このように「成長戦略① 海外展開」は、武器輸出の原則自由化となった絶好の「市場環境」の下で、前述の「課題」にかかげた「事業規模拡大に向けた成長戦略」の第一と考えているようです。
 
「デュアルユース展開」とは

 上記の「成長戦略② デュアルユース展開」については、昨年度は「民需展開」という言葉が使われていました。「デュアルユース(dual use 用途の両義性)」は、日本学術会議の安全保障技術研究推進制度をめぐる論争の中で度々出てきましたが、個々の技術は軍事用か民生用かのどちらかに決まっているのではなくて、軍事用にも民生用にも使用される可能性を持っていることを表した言葉です。
 サイバーセキュリティは軍事面でも非常に重要な課題ですから、三菱重工も早くから取り組み、軍事で培った技術を民生事業に展開することを進めています。その点からは「民需展開」という言葉が的を射ていると思われますが、今年度はそれを「デュアルユース展開」と表現しています。これは「民需展開」だけでなく、先行している民生技術を軍事用に転用することにも取組んでいるのかもしれません。

成長戦略③ 既存分野拡大
 将来戦闘機については、昨年度、初飛行に成功して以降、三菱重工・防衛省(防衛装備庁)・米軍の間で検討が進められているのでしょうか、今のところ表立った変化は見られません。
 ペトリオットミサイルは、昨年度の戦略には掲げられていませんでした。昨年度は新型護衛艦が掲げられていました。三菱重工が公表する事業戦略は主なものだけが示されるでしょうから、前面に出るものが変わることは当然ですが、今年度は北朝鮮の挑発・米朝間の緊張を背景にミサイル防衛に使用するペトリオットミサイルを前面に出したのかもしれません。護衛艦については、2015、2016年度に連続してJMU(ジャパンマリンユナイテッド)が受注していましたが、今年度は三菱重工が受注しましたので一段落したのかもしれません。

    日本共産党三菱重工広製支部 2017年8月26日

2017年8月17日 (木)

勢いづく軍産複合体

 「よみがえる軍産複合体の幻影」と題する記事(2017年8月11日 日経)は、米軍需「ビッグ5」の株価が大きく上昇していることを伝えました。今年7月4日に北朝鮮が1発目の大陸間弾道ミサイル(ICBM)を発射して以来、米朝間の緊張が高まる中で、最大の武器製造企業であるロッキードの株価は11%上昇し、この間のS&P500(アメリカの株価指数の一つ)の0.3%高を大幅に上回っていると伝えました。さらに、ロッキードだけでなく、米軍需「ビッグ5」の株価がすべて上昇していること、その背景にはトランプ大統領が2月に18会計年度(17年10月~18年9月)予算案で軍事費を17会計年度の10%増(540億ドル/約6兆円増)の方針を打ち出したがあると言っています。ということは、米朝間の緊張がやわらいだとしても米軍需企業の活況は続くことになりそうです。

米軍需「ビッグ5」のデータ
 ストックホルム国際平和研究所(SIPRI)発表の「世界の軍事企業上位100社(中国を除く)」から米軍需「ビッグ5」のデータを見てみますと、2015年については次のようになっています。なお、米軍需「ビッグ5」とは次の5社です。
  ロッキード・マーチン
  ボーイング
  レイセオン
  ノースロップ・グラマン
  ゼネラル・ダイナミクス
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 米軍需「ビッグ5」2015年のデータ(金額の単位:100万ドル)
  
順位  企業名 武器の 全社の  比率  全社の    全社の
           売上高 売上高   (注)  利益 (%)  従業員数
1位 ロッキード 36440   46132  79%  3605( 7.8%) 12万6000人
2位 ボーイング 27960   96114  29%  5176( 5.4%) 16万1400人
4位 レイセオン 21780   23247  94% 2067(11.2%) 6万1000人
5位 ノースロップ20060   23256  86% 1990( 8.6%)  6万5000人
6位 ゼネラル.D 19240   31469  61%  2965( 9.4%)  9万9900人
    合計   125480   220218  57%  15803( 7.2%)  51万3300人
 

  (注) 比率=武器の売上高÷全社の売上高×100
  全社の利益の(%)は、全社の利益÷全社の売上高×100
  金額の単位は100万ドルです。ロッキードの武器の売上高は364億4000万ドル、全社の売上高は461億3200万ドルとなります。
  順位は、「世界の軍事企業上位100社(中国を除く)」の順位です。3位が抜けていますが、3位はイギリスの BAE Systems です(ご参考:ウィキペディア「BAEシステムズ」)。
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 ロッキードの武器の売上高364億4000万ドルは、1ドル110円で換算しますと約4兆円ですから、三菱重工の全社売上高と同規模で、三菱重工の軍需部門の約10倍です。
 5社の武器売上高合計 1254億8000万ドルは約140兆円。5社の従業員数が51万3300人。さらに、「世界の軍事企業上位100社(中国を除く)」の中には5社を含めてアメリカの企業が全部で43社含まれています。さらに、その周りには部品の加工・供給など広いすそ野が広がっていますし、大学などにはばく大な軍事研究資金が注がれています。このように巨大な武器業界・軍事ビジネスがアメリカの社会、政治、経済に大きな影響力を持っていても不思議ではありません。

(ご参考)世界の軍事企業トップ100(中国を除く)への行き方
  ストックホルム国際平和研究所(SIPRI)のHome→
  Databases→ 
  SIPRI Arms Industry Database→
  Data for the SIPRI Top 100 for 2002-15 (Excel)
  データはエクセルで表示されます。

軍産複合体
 冒頭で紹介した記事はアメリカの軍需産業と政権の結びつき・癒着の一端を次のように述べています。
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 マティス国防長官はビック5の一角、ゼネラル・ダイナミクスの元取締役。トランプ政権の政府高官への米軍需産業の浸透度合いはかなりのものだ。トランプ政権には軍人出身も多く、特に国防・安全保障分野は軍・軍需産業出身者が幅を効かせる。
  「よみがえる軍産複合体の幻影」(2017年8月11日 日経)より
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 このあと同記事は、冷戦時代に「軍需産業が政官と一体となり国の政策を動かした勢力『軍産複合体』」の復活は考えずらいと書いていますが、はたしてそうでしょうか? 巨大な武器業界・軍事ビジネスが、ときには日が当たらないことがあっても基本的にはずっと続いてきていて、アメリカ軍部との結びつきも継続していることでしょう。
 「しんぶん赤旗」は冷戦終結後も「軍産複合体」の危険性に警鐘を鳴らしています。
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 「軍産複合体」というのは、アイゼンハワー米大統領が1961年の離任演説でのべた警告で、アメリカ資本主義の危険な側面の一つをえぐり出した名言として知られています。アメリカでは、軍部と産業界が幾重にも結び、何百万という人間と、何十億ドルというばく大な金を駆使し、全米の都市、州議会、連邦政府の各機関、マスメディアなどに浸透し、影響力を行使。イラク戦争でもばく大な利益をあげています(軍産複合体って? 赤旗 2004年11月25日 より)。
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 そして今、軍産複合体はトランプ軍拡と米朝間の緊張を受けて勢いづいているのではないでしょうか。
 
日本の場合

 このような動きに日本は決して無関係ではありません。安倍政権が北朝鮮との軍事的な対決姿勢を強める中で、軍事関連企業の株価が急騰しています。
 より根本的には安倍政権がアメリカへの追従を強めながら軍拡志向を明確にしていることがあります。その結果、日本の軍需企業はアメリカの軍産複合体により深く組み込まれながら増強することが考えられます。
 三菱重工の軍需部門は2018年度から「従来枠組みを打破し事業規模拡大」という戦略を打ち出しています(防衛・宇宙事業戦略説明会 2016年6月10日 p.26)。

    日本共産党三菱重工広製支部 2017年8月16日

2017年8月10日 (木)

敵基地攻撃能力は全面戦争能力

自民党の提言
 自民党政務調査会は今年3月末、「北朝鮮の新たな段階の脅威」に対処するためとして、敵のミサイル基地などをたたく「わが国独自の敵基地反撃能力の保有」を直ちに検討するよう求める提言(「弾道ミサイル防衛の迅速かつ抜本的な強化に関する提言」)をまとめ、安倍晋三首相に提出しました。
 提言は、「弾道ミサイル防衛能力強化のため」として「常時即応体制の確立や、ロフテッド軌道の弾道ミサイル及び同時多発発射による飽和攻撃等からわが国全域を防衛するに足る十分な数量を検討し、早急に予算措置を行うこと。また、将来のわが国独自の早期警戒衛星の保有のため、関連する技術開発をはじめとする必要な措置を加速すること」などを求めています。
 この提言をまとめたのは自民党政務調査会の「弾道ミサイル防衛に関する検討チーム」で、チームの座長は今回の内閣改造で再び防衛相になった小野寺五典氏です
 
防衛相「敵基地攻撃能力」の保有を検討

 小野寺五典防衛相は、就任の翌日、次のように話しました。
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 小野寺五典(いつのり)防衛相は8月4日、報道各社のインタビューで、北朝鮮の弾道ミサイル発射への対応強化の一環として、敵のミサイル発射拠点を破壊する「敵基地攻撃能力」の保有を検討する考えを示した。小野寺氏は就任前、能力保有の検討を政府に求める提言を、自民党の検討チーム座長としてまとめた経緯があり「提言の観点を踏まえ、対処能力向上の検討を進めたい」と話した。(2017年8月5日 朝刊 東京新聞)
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防衛大綱の見直しを指示
 安倍晋三首相は8月6日、広島市での記者会見で防衛大綱の見直しが必要との認識を示し、すでに小野寺五典防衛相に指示したことを表明しました。日経は次のように伝えています。
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 防衛省が検討する敵基地攻撃能力については「現時点で具体的な検討を行う予定はない」としながらも「国民の生命と財産を守るために何をすべきかの観点から、常に現実を踏まえながら様々な検討を行っていくべきだ」と説明した。
  (首相、防衛大綱見直し表明 敵基地攻撃「現実踏まえ検討」2017年8月7日 日経)
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 敵基地攻撃能力の保有については、以前から議論がありましたが、安倍政権は議論を超えて実際に踏み出すことを本気で考えているようです。

防衛省防衛研究所の研究論文
 少し古い資料ですが、2005年に発表された防衛省防衛研究所の研究論文が防衛省のホームページに出ています。
   専守防衛下の敵地攻撃能力をめぐって
   ―弾道ミサイル脅威への1つの対応―

     防衛研究所紀要第8巻第1号(2005年10月)
 ここには、防衛省内の専門家が敵基地攻撃をどのように考えているのか、その一端が示されています。17ページにわたる研究論文の中からポイントと思われるところを拾い出してみました。
・わが国が他国の弾道ミサイル発射基地に対する攻撃を検討する場合、中距離弾道ミサイルのほとんどが移動式ランチャーから発射されることに注意しなければならない。移動式ランチャーはリアルタイムで追尾しなければ位置が把握できないし、リアルタイムで高精度の攻撃兵器を使って攻撃しなければ破壊できない。これは決して容易な作戦ではない。
・1991年の湾岸戦争において、スカッドミサイルを地上で撃破するための大規模な空爆を展開した。しかし、移動式ランチャーを発見することは予想以上に難しく、戦後に行われた調査では、そのほとんどがデコイやタンクローリーなどを誤認したものと結論づけられた。ただし、大規模な空爆を繰り返すことによって、ランチャーを破壊することはできなくとも、彼らの自由な行動を制約し、発射される数を減らすことはできた。
・その後、米軍は情報革命を基盤に軍事能力を大きく高め、移動目標攻撃能力は大きな改善を見せた。2003年のイラク戦争においては、開戦前にイラクが保有していたランチャー約80基のうち、46基を空爆で破壊することに成功した。その結果、ミサイルの発射そのものを先制的に阻止することはできなかったが、湾岸戦争と異なり、かなりの損害を相手に対して強いることができた。ただし、当時のイラク空軍は戦力レベルがきわめて低くなっていたこと、ランチャーの位置を特定するために投入された特殊部隊が隣接するクウェートからの支援を受けることができたという特殊条件の下で行われた戦争であることにを留意しておく必要がある。
・わが国が敵地攻撃能力の保有を考える場合、こちらからの第一撃によって相手の弾道ミサイル攻撃戦力を無力化しようとしても、残存ランチャーから報復攻撃が加えられるか、わが国が第一撃を発動する前に相手国が先制攻撃を行うことが考えられる。
・弾道ミサイルに対する防衛システム全体の1つの構成要素として敵地攻撃能力を位置づければ、弾道ミサイルの飛来そのものを食い止めることはできなが、敵地攻撃能力が制圧効果を発揮して相手の行動を制約して飛来する弾道ミサイルの数を減らすことができる。ただし、相手は初期の段階で集中的にミサイルを発射しようとするだろうから、迎撃システムだけでなく、民間防衛などを含めて備えておかなければならない。
・結論:「弾道ミサイルおよびWMD(大量破壊兵器)の拡散は進み、脅威としての深刻さを増している。しかし、これらの脅威を一挙に低減するワイルドカード(万能の策)は存在しない。結局のところ、我が国にとっての最適解とは、我が国の周辺で弾道ミサイルを配備している国家についての情報収集・分析能力を強化するほか、軍備管理、不拡散、地域情勢安定のための信頼醸成をはじめとする安全保障協力のような外交的努力と、高性能のミサイル防衛システム開発や日米防衛協力をさらに進めることによる抑止力の強化などの軍事的努力を並行して一歩ずつ進めていくことであろう。弾道ミサイルの脅威が増大していく中で、我が国の安全保障政策に求められているのは、政治的、戦略的な創造性を持って、これらの手段をうまく組み合わせていくことなのである」。
    ◇
 防衛省のこの研究者は日米同盟を不動のものとする前提に立って考えていると思われますが、それでも、「外交的努力」や「政治的、戦略的な創造性」が必要であり、弾道ミサイル防衛も敵基地攻撃能力もそれだけでは国民を守ることができないと考えているようです。

ご参考:
対北朝鮮「ミサイル防衛」も「敵基地攻撃」も驚くほど非現実的である
 現代ビジネス(講談社 2017年4月5日 半田 滋)
対北朝鮮の「敵基地攻撃論」には実効性がない
 東洋経済ONLINE(2017年04月05日 薬師寺 克行 :東洋大学教授)
ブログ:「弾道ミサイル防衛」で国民を守れるか?

    日本共産党三菱重工広製支部 2017年8月10日

2017年8月 3日 (木)

子会社への事業継承・分社化・事業統合がめじろ押し

 三菱重工グループ内の事業継承や事業統合に関する発表が4件、NTTデータへの事業移管の発表が1件、立て続けにありました。すべて三菱重工の「ニュースリリース 2017年度」に出ています。
 発表の文面は長くはありませんが慣れない用語を含んでいますので、わかりにくいところがあります。それで、要点と思われるところを書いてみました。

<2017年7月31日発表>
(1) 当社油圧機械の製造、品質保証及び調達機能の会社分割による当社子会社への承継に関するお知らせ
 下関地区で生産している油圧機械事業のうち、油圧機械に係る品質保証、調達機能については、三菱重工メカトロシステムズに承継させ、既に承継させている営業、設計、建設と一体となった事業体制強化に取り組む。
 製造機能については、平成30年1月1日付で設立予定の造船新会社(注:(2)の造船新会社です)に承継させ、下関 地区の商船事業と一体となって安定した操業を確保することを狙いとするもの。

(2) 当社船舶海洋事業の会社分割による当社子会社への承継に関するお知らせ
 平成27年10月1日付で、三菱重工船舶海洋(ガス運搬船に建造を集中)と三菱重工船体(大型船体ブロックの生産に特化)を設立して生産合理化投資等を推進してきた。さらに、下関の艤装技術力と長崎の船体技術力を融合して艤装主体船の伸長を図ると共に環境対策関連事業の拡大に取り組んでいく。
 これらの新たな事業推進体制の整備として、艤装主体船の建造、アライアンス先との協業、設計供与、新事業の展開等を営む造船新会社を平成30年1月1日付で設立する予定。そのための準備会社を設立する方針を決定した。
 同時に、平成30年1月1日付で三菱重工船体を承継会社として大型船建造並びに船体ブロック及び大型鉄構構造物の製造を主体とする新会社を設立する予定。

(3) 当社化学プラント及び交通製品に係るエンジニアリング事業の会社分割による当社子会社への承継に関するお知らせ
 平成28年4月にエンジニアリング関連事業を集約してエンジニアリング本部を設立したが、事業責任及び権限の明確化並びに意思決定の迅速化をはかるために平成29年9月を目処に100%出資子会社を設立し、平成30年1月1日付で当社の営む化学プラント及び交通製品に係るエンジニアリング事業を承継させる方針を決定した。

(4) 情報システム分野におけるNTTデータと三菱重工との提携について 新会社「株式会社NTTデータMHIシステムズ」を発足
 NTTデータと三菱重工は、本年3月30日に発表した三菱重工の完全子会社であるMHI情報システムズ(株)を母体とした新会社設立に関する基本合意に基づいて、三菱重工が設立した準備会社にMHI情報システムズ(株)の全事業を移管後、その株式の51%をNTTデータが取得し、新会社「株式会社NTTデータMHIシステムズ」を10月1日付で発足させる。
新会社の概要
 社名    株式会社NTTデータMHIシステムズ
 本社所在地 東京都港区港南2-13-34
 代表者の役職・氏名 代表取締役社長 椎名 雅典
 事業内容  三菱重工グループ向けITインフラの運用・保守、業務系アプリケーション開発など
 従業員数  約930名
 資本金(出資比率) 40百万円(NTTデータ:51%、三菱重工:49%)
 発足年月日 2017年10月1日

<2017年7月28日発表>
(5) 当社インダストリー&社会基盤ドメインにおける製造、品質保証及び調達機能の一部の会社分割による当社子会社への承継に係る吸収分割契約の締結に関するお知らせ
 中小規模事業強化策として、平成29年10月1日付で三菱重工メカトロシステムズに、三菱印刷紙工及び三菱重工マシナリーテクノロジーのゴム・タイヤ 機械事業を統合する。この統合に併せて、統合対象事業の製造、品質保証及び調達機能を三菱重工メカトロシステムズに承継させる。
 
三菱重工マシナリーテクノロジーからゴム・タイヤ機械事業がなくなると

 上記の(5)に、三菱重工マシナリーテクノロジーのゴム・タイヤ機械事業を三菱重工メカトロシステムズに統合すると書かれています。
 三菱重工マシナリーテクノロジーは、MECエンジニアリングサービス、広島菱重エンジニアリング、リョーセンエンジニアズの3社を統合して2012年4月1日に発足しました。その後、2015年10月1日には搬送システムが住友重機械搬送システムに吸収されるなど主要事業が次々なくなり、ついにゴム・タイヤ機械もなくなると、あとに残るのはホントにわずかな感じになります。
 子会社への事業継承・分社化・事業統合などは多くの場合、人の移動も伴います。それは、本人や家族にとって大きな苦痛になったり、さらには、自己都合退職を余儀なくされたりすることもあり得ます。株主偏重の経営は働く者へしわ寄せの経営です。

ご参考:三菱重工を分析するブログ「(4)広島の新会社は不安がいっぱい」

    日本共産党三菱重工広製支部 2017年8月3日

2017年7月20日 (木)

「弾道ミサイル防衛」で国民を守れるか?

増え続ける防衛費
 先日の3連休最後の日に日経は次のように報じました。
 ・防衛省が2018年度予算の概算要求で過去最高額を計上する方針であること
 ・概算要求のポイントの第一は北朝鮮への対応である弾道ミサイル防衛で、その主な中身は、
   ・陸上配備型「イージス・アショア」の研究費増額
   ・イージス艦搭載の迎撃ミサイル「SM-3ブロック2A」の生産
(日経 2017年7月17日「防衛費4年連続5兆円超 来年度予算、過去最高要求へ 」より)

イージス・アショアとは
 イージス・アショア(Aegis Ashore)とは、イージス・システムの陸上配備です。イージス・システムは弾道ミサイル防衛を含む艦載用の兵器システムで、これを搭載する艦船をイージス艦と言います。このイージス・システムを陸上で使おうというのがイージス・アショアです。
 イージス・システムはアメリカ製で、中身はブラックボックス(マル秘)です。価格は500億円とも言われています(ウィキペディア「イージス・システム」より)。
 防衛省の平成24年度中央調達実施概況には「イージス艦へのBMD機能の付加(器材等調達)1式 341億円 米海軍省(契約相手方)」という記載があります。
 (注)BMD:弾道ミサイル防衛(ballistic missile defence)

SM-3ブロック2Aとは
 SM(スタンダード・ミサイル)はアメリカ製の艦対空ミサイル。その中で、SM-3シリーズは弾道ミサイルを迎撃するための艦船発射型迎撃ミサイルです。その中でも、「SM-3ブロック2A」は大陸間弾道ミサイルの迎撃を目的に日米共同で開発されました。日米共同開発には三菱重工も参画しています(詳細は「日本の軍需産業 2016 (5)ミサイル防衛システム」をご参照ください)。
 イージス・アショアも「SM-3ブロック2A」も、早期警戒衛星をはじめとする米軍の情報システムのもとで運用されますから、日本の自衛隊が米軍に深く組み込まれることを意味します。

どうなる日本のミサイル防衛
 NHK NEWS WEB(7月3日)「どうなる日本のミサイル防衛」は、日本のミサイル防衛の現状と新しいシステムを導入する意味を伝えています。
 ・日本は現在、日本海に展開するイージス艦に搭載された迎撃ミサイル「SM3」と、東京・新宿区の防衛省などに配備されている迎撃ミサイル「PAC3」を組み合わせた2段階の態勢をとっています。防衛省の担当者は「ミサイル防衛は着実に整備が進められており、万全に対応できるので大丈夫だ」と言いますが、「『2層防衛』となっているのは日本のごく一部で、十分とはいえない」という指摘もあります。
 ・新システムとしてTHAAD(高高度地対空ミサイル)の導入が検討されています。THAADは、同時に飛んでくる複数の弾道ミサイルへの対処能力が高いとされ、「2層防衛」から「3層防衛」となることから、防衛省は、これらのシステムが導入されれば、迎撃態勢が強化されるとしています。
 ・さらに革新的な技術として「高出力レーザー」と「レールガン」の研究も進められていますが、日本で弾道ミサイル防衛に活用されるまでには、まだまだ時間が必要で、20年以上はかかると見られています。
 ・多額の費用がかかることも紹介しています。
   イージス・アショア1基当たりの価格は800億円程度
   SM3を改良した新型の迎撃ミサイルは、1発あたりが40億円程度
   THAADも1基当たりの価格は800億円程度、迎撃ミサイル1発の価格が10億円余り
 ・さらに大きな問題を紹介しています。防衛省関係者は「(THAADを導入する)新型の迎撃ミサイルシステムを運用できるようになるには、5年くらいかかるだろう。だが、運用が開始されたときに北朝鮮のミサイルの能力が、迎撃能力を上回っていればシステムを導入する意味がない」と。
 ・最後に、自民党が安倍総理大臣に提出した提言に盛り込まれている「敵基地反撃能力」の保有を紹介しています。

当たるのか? 米ミサイル防衛
 日経ビジネス(2017年7月10日)「当たるのか? 米ミサイル防衛」は、ミサイル防衛先進国アメリカの事情を紹介しています。
 まず、現行の米ミサイル防衛システムで北朝鮮からの弾道ミサイル攻撃を迎撃できる「確かな保証は存在しない」こと。そのため、米政権は次世代システムの開発・テストを急いでいると。
 そして、どんなにミサイル防衛を強化しても、迎撃能力を超える多数のミサイルによる攻撃(飽和攻撃)には太刀打ちできないということ。
 オペリングMDA元局長は、もし北朝鮮が明日攻撃を仕掛けてきたら、迎撃ミサイルが敵の弾頭を本当に迎撃できるかどうか誰にも分らないと認めていると。

対北朝鮮「ミサイル防衛」も「敵基地攻撃」も驚くほど非現実的である
 現代ビジネス(講談社 2017年4月5日 半田 滋)は「対北朝鮮『ミサイル防衛』も『敵基地攻撃』も驚くほど非現実的である」と説得力を持って喝破しています。
 まず、自衛隊のミサイル防衛システムは、イージスアショア(陸上配備型イージスシステム)やTHAAD(高高度地対空ミサイル)で充実させても、守ることができない実情を具体的に示しています。
 「軍事的合理性や費用対効果の面から当初、自衛隊の制服組はMD(ミサイル防衛)導入に反対した。これに対し、2002年当時の守屋武昌防衛事務次官は『米国はMD開発に10兆円かけた。同盟国として支えるのは当然だ』と主張して導入の旗を振り、『防衛庁の守護神』といわれた山崎拓元防衛庁長官が後押しする形でMD導入は翌03年に閣議決定された。きっかけは対米追従だったのだ」。
 「一から導入するイージスアショア、THAADが極めて高額の防衛費を必要とするのは自明だろう。しかも米政府の提示する価格、納期で購入が義務づけられる対外有償軍事援助(FMS)となるのは確実なため、『いつ、いくらでどう提供するか』は米政府次第となり、武器を媒介にした米国による日本支配が強化されるのは間違いない」。
 今回の自民党の提言にある「敵基地反撃」も、潜水艦発射弾道ミサイルの開発や北朝鮮の基地は7割が地下化されていることなどから北朝鮮の戦闘能力を容易に壊滅することはできず、全面戦争に発展しかねないと警告しています。
 「結局、日本がやるべきことは」北朝鮮が米朝間の平和協定締結を望んでいることから、「安倍政権に求められるのは、以下のように米国を説得することだろう。『北朝鮮との対話に乗り出し、交渉の過程で核放棄とミサイル開発の中止を求め、見返りに平和協定を結んで北朝鮮に《米国は攻撃しない》という保障を与えるべきだ』と」。

際限ない軍拡競争
 日本がアメリカに組み込まれる形で進められている「弾道ミサイル防衛」は非現実的で、際限ない軍拡競争と言えるようです。米ソ冷戦時代の核兵器開発競争の悪夢が思い出されます。

    日本共産党三菱重工広製支部 2017年7月20日

2017年7月13日 (木)

三菱重工、川崎重工、IHIの1人当り売上高など

売上高
        三菱重工    川崎重工      IHI
2010年度 2兆9037億円  1兆2269億円  1兆1872億円
2011年度 2兆8209億円  1兆3037億円  1兆2218億円
2012年度 2兆8178億円  1兆2888億円  1兆2560億円
2013年度 3兆3495億円  1兆3854億円  1兆3040億円
2014年度 3兆9921億円  1兆4861億円  1兆4558億円
2015年度 4兆0468億円  1兆5410億円  1兆5393億円
2016年度 3兆9140億円  1兆5188億円  1兆4863億円

 売上高は景気に左右されますが、この間3社とも増加傾向と言えます。その要因の一つにM&A(合併・買収)による事業拡大があります。

従業員数
        三菱重工    川崎重工      IHI
2010年度  8万1347人   3万2706人   2万6035人
2011年度  8万2259人   3万3264人   2万6915人
2012年度  8万2285人   3万4010人   2万6618人
2013年度  9万6055人   3万4620人   2万7562人
2014年度  9万8442人   3万5471人   2万8533人
2015年度  10万0784人   3万4605人   2万9494人
2016年度  9万9340人   3万5127人   2万9659人

 M&A(合併・買収)で事業と人を吸収・拡大してきたために従業員数も増加傾向が見られます。
 三菱重工は、事業と人を吸収・拡大したあと、固定費削減と言って人員を削減しています。
 従業員数にどの範囲まで含めているかは前回のブログの(注)をご参照ください。

1人当り売上高(売上高÷従業員数)
        三菱重工    川崎重工      IHI
2010年度 3569万円/人  3751万円/人  4560万円/人
2011年度 3429万円/人  3919万円/人  4539万円/人
2012年度 3424万円/人  3789万円/人  4718万円/人
2013年度 3487万円/人  4001万円/人  4731万円/人
2014年度 4055万円/人  4189万円/人  5102万円/人
2015年度 4015万円/人  4453万円/人  5219万円/人
2016年度 3940万円/人  4323万円/人  5011万円/人

 従業員数に臨時従業員数を含む・含まないの違いがあります。外注率の違いもあります。そのため1人当り売上高を企業間で比較するのはあまり意味がないように思われますが、3社とも同じくらいの規模と言えます。
 一方、同一企業における推移を見てみますと、1人当り売上高がはっきりと増加傾向にあることがわかります。上記の表の、初めの3年(2010~12年度)とあとの3年(2013~16年度)を単純平均で比較しますと次のようになります。

          三菱重工    川崎重工     IHI
2010~12年度 3474万円/人 3819万円/人 4605万円/人
2013~16年度 4003万円/人 4321万円/人 5110万円/人
 増加率     1.15倍     1.13倍      1.11倍

 1人当り売上高の増加には、設備投資による自動化・効率化もありますが、仕事量が増加して労働がきつくなっているも考えられます。これだけのデータから断ずることはできませんが、搾取のレベルが上がったと言うべきかもしれません。

営業利益の推移
       三菱重工  川崎重工   IHI
2010年度 1012億円  426億円  613億円
2011年度 1119億円  574億円  433億円
2012年度 1635億円  420億円  421億円
2013年度 2061億円  723億円  532億円
2014年度 2961億円  872億円  632億円
2015年度 3095億円  959億円  220億円
2016年度 1505億円  459億円  473億円

 営業利益の推移も見てみました。この間、三菱重工と川崎重工は2015年度に最高を、IHIは2014年度に最高を記録しています。営業利益は創出した利益ですから、製造業にとっては重要ですが、安値受注や見通しの間違いなど思わぬミスなどがあって期待どおりには行かないところがあると思います。
 当然のことですが、株主資本主義にとっては資本効率向上のために営業利益の向上は重要な課題です。
 
労働分配率について

 労働分配率は、人件費÷付加価値 で求められますが、企業は人件費を公表していませんので有価証券報告書などから求めることはできません。

    日本共産党三菱重工広製支部 2017年7月13日

2017年7月 6日 (木)

三菱重工、川崎重工、IHIの内部留保と配当

 日本の大手3重工と言われる三菱重工、川崎重工、IHIの内部留保と配当はこれまで見て来ましたが、2016年度の各社の有価証券報告書が出ましたので、最近のデータを整理しておきたいと思います。

内部留保
        三菱重工  川崎重工    IHI
2012年度 11,053億円  2,529億円  1,877億円
2013年度 12,353億円  2,718億円  2,257億円
2014年度 13,523億円  3,079億円  2,070億円
2015年度 13,770億円  3,340億円  1,992億円
2016年度 14,184億円  3,418億円  2,033億円

 三菱重工は、客船の赤字やMRJの開発遅れなど苦しい部分があっても、利益を出し、内部留保を着実に積み上げ続けています。
 ここでは、内部留保=利益剰余金+資本剰余金 としています。

従業員数
       三菱重工  川崎重工    IHI
2012年度  82,285人  34,010人   26,618人
2013年度  96,055人  34,620人   27,562人
2014年度  98,442人  35,471人   28,533人
2015年度  100,784人  34,605人   29,494人
2016年度  99,340人  35,127人   29,659人

 三菱重工は、M&A(合併・買収)で事業と人を吸収・拡大したあと、固定費削減と言って人員を削減しています。
 従業員数にどの範囲まで含めているかは下記の(注)をご参照ください。

1人当り内部留保(内部留保÷従業員数)
        三菱重工    川崎重工     IHI
2012年度 1,343万円/人  743万円/人  705万円/人
2013年度 1,286万円/人  785万円/人  818万円/人
2014年度 1,373万円/人  868万円/人  725万円/人
2015年度 1,366万円/人  965万円/人  675万円/人
2016年度 1,427万円/人  973万円/人  685万円/人

 こんなに会社に貢献してきました。この内の何%かを賃上げにまわしてもらってもいいんじゃないでしょうか。

1株当り配当と配当総額
        三菱重工   川崎重工    IHI
        1株  総額    1株  総額  1株 総額
2012年度  8円  268億円  5円   83億円 5円 73億円
2013年度  8円  268億円  6円 100億円 6円 92億円
2014年度 11円 369億円 10円 167億円 6円 92億円
2015年度 12円 403億円 12円 200億円 3円 46億円
2016年度 12円 403億円  6円  100億円 0円  -

 三菱重工は株主偏重の高配当を続けています。このような傾向は全国的に強くなっています。

1人当り配当額(配当総額÷従業員数)
        三菱重工  川崎重工     IHI
2012年度 32,5万円/人 24.4万円/人 27.4万円/人
2013年度 27.9万円/人 28.8万円/人 33.3万円/人
2014年度 37.4万円/人 47.0万円/人 32.2万円/人
2015年度 39.9万円/人 57.7万円/人 15.5万円/人
2016年度 40.5万円/人 28.4万円/人  -

 株主にも、こんなに貢いできました。

(注)従業員数について
  従業員数にどの範囲まで含めているかは各社の有価証券報告書の「第一部 企業情報」の「第1 企業の概況」の「5 従業員の状況」に(注)で示されています。

  三菱重工の(注)
   1.従業員数には、グループ外から当社グループ(当社及び連結子会社)への出向者を含み、当社グループからグループ外への出向者を含まない。また、臨時従業員数は[ ]内に年間の平均人員を外数で記載している。
   2.臨時従業員には、定年退職後の再雇用社員、嘱託契約の従業員及びパートタイマー等を含み、派遣社員等は含まない。
 (上記の三菱重工の従業員数は、年間平均の臨時従業員数を含んでいます。)

  川崎重工の(注)
   1 従業員数は就業人員のみを対象としている。なお、臨時従業員数については従業員総数の100分の10未満であるため記載を省略している。
   2 従業員数は再雇用従業員を含んでいる。

  IHIの(注)
   従業員数は就業人員数(当社グループからグループ外への出向者を除き,グループ外から当社グループへの出向者を含む。)であり,臨時従業員数については,従業員数の100分の10未満であるため記載していません。

(注)有価証券報告書について
 有価証券報告書は株式上場企業が法律に基づいて毎年作成します。インターネットで見ることができます。量が多いのと、独特の用語がありますが、書いてある項目順(目次)が決まっていますので見たいところだけ見ることができます。
 配当総額は、「第一部 企業情報」の「第4 提出会社の状況」の「3 配当政策」の中にでています。
 利益剰余金と資本剰余金は、「第一部 企業情報」の「第5 経理の状況」の「1 連結財務諸表等」のトップに出ている「連結貸借対照表」のおしまいの方「純資産の部」の中に出ています。
 なお、主要な項目については、各社がホームページでIR情報(株主・投資家への情報)として公開しています。

    日本共産党三菱重工広製支部 2017年7月6日

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